ハウツー
2018/04/29
明日に残さない!飲む前や飲んだ直後にできる二日酔いの予防・対策
提供:岩田 智
二日酔い対策に、自家製ソーセージはいかが?三宮・北野「Bar岩田」のマスター。
すでに二日酔いになってしまった人には、以下の記事に二日酔いによる様々な症状への対応をまとめていますので、ぜひ参考にしてください。
【速攻】昼までに治す!症状別に見る効果的な二日酔い対策
楽しく飲んだ翌朝、目を覚ましたら激しい頭痛と吐き気でグッタリという経験はありませんか?頭痛と吐き気の正体は「二日酔い」。二日酔いの症状は頭痛や吐き気だけでなく、体のだるさなど様々。
年齢や性別を問わず、二日酔いに悩まされている人はたくさんいます。また、大量のお酒を飲んでいなくても二日酔いになる事もあります。
せっかくの飲み会は二日酔いの心配をせず、楽しくお酒を飲みたいですよね。
実は少しの工夫で、誰でも二日酔いになりにくくなるための対策が可能です。
この記事では二日酔いになる仕組みを解説し、簡単に実践できる二日酔いの予防と対策を紹介していきます。
しっかり予防をすれば翌日にお酒が残らず、二日酔いに悩まされることもなくなるでしょう。
どうして二日酔いになるのか?二日酔いになる仕組み
アルコールは肝臓で「アセトアルデヒド」という物質になります。
このアセトアルデヒドは頭痛や吐き気の原因になりますが、体内で分解され自然と排出されます。ですが、アセトアルデヒドが分解されずに、翌日まで体内に残り続けると、頭痛や吐き気といった症状が続きます。これが二日酔いと呼ばれる症状です。
飲む前にできる二日酔いの予防・対策
それではここから二日酔いの予防と対策を紹介していきます。
お酒を飲む前は空腹を避ける
空腹でお酒を飲むとアルコールが肝臓に届く前に胃が吸収してしまい、アセトアルデヒドの分解が遅くなってしまいます。分解が遅くなるという事は、アセトアルデヒドが翌日まで残りやすくなるので二日酔いの原因になります。
飲む前に何か食べておくと胃に食物がある状態ですので、胃でアルコールは吸収されずスムーズに肝臓に運ばれていきます。そのためアセトアルデヒドが分解されやすくなり二日酔いを予防することができます。
おすすめなのがナッツやチーズ、オリーブオイルのかかったサラダです。ナッツやチーズ、オリーブオイルには良質の脂肪分が多く含まれています。脂肪分は少量でも消化に時間がかかり、胃に長時間残っているので、胃がアルコールを吸収するのを防ぎ二日酔い対策になります。
お酒を飲む前に緑茶を飲む
緑茶には「カテキン」「ビタミンC」「カフェイン」「タンニン」が多く含まれています。
それぞれの成分が二日酔いにどう作用するのかをまとめました。
カテキン
カテキンは胃の粘膜を保護してくれるので、油っこいものから胃を守り消化を促進します。二日酔いの吐き気は油っこい物の食べ過ぎで起こる胃もたれによる物も多いので、カテキンで胃を守る事も二日酔い予防と言えますね。
ビタミンC
ブドウ糖とビタミンCがアセトアルデヒドを分解してくれます。体内にたくさんビタミンCがあれば、アセトアルデヒドの分解が早まり二日酔いになりにくくなります。
カフェイン
お酒で麻痺した脳の働きを正常にし、利尿作用によりアセトアルデヒドを体外に排出してくれます。またアセトアルデヒドを分解するためのブドウ糖を増やす効果があります。
タンニン
アルコールの吸収を抑える効果と利尿作用があります。また、喉の渇きも抑えてくれるため、飲酒後の脱水症状を防いでくれます。
このように緑茶には二日酔いを予防する成分がたくさん含まれていますので、お酒を飲む前に飲んでおくと二日酔い対策に非常に効果的です。
薬などの服用は避ける
一部の薬はアルコールと一緒に服用すると体内で化学反応を起こし、嘔吐や吐き気、頭痛などを引き起こすことがあります。この症状が翌日まで続いたり、翌日になって症状が出ると二日酔いと勘違いしてしまうのです。また、アルコールと薬を一緒に服用すると、薬の効果が出すぎたり、血中のアルコール濃度が急激に上昇したり、薬によっては重篤な状態に陥ることもありますので、薬は用法、容量を守って服用しましょう。
ウコンなどのドリンクで二日酔いを予防する
ウコンには「クルクミン」という成分がたくさん含まれています。クルクミンには消化不良を改善したり、抗酸化作用などたくさんの作用があるのですが、中でも「肝臓を保護する作用」が二日酔いにとても効果があります。
お酒を飲む前にウコンを摂取すると、肝臓の働きが助けられ、アルコールを早く分解する事ができ、アセトアルデヒドを早く体外に排出できるので二日酔いになりにくくなります。
ウコンドリンクは「お酒を飲む30分〜1時間前に飲むのが効果的です。」飲んですぐに効果は出ませんので事前に飲んでおきましょう。コンビニでも手軽に購入できますので、突然の飲み会でも購入して飲むことができますね。スーパーやドラッグストアなどでも購入できますので、よく飲みに行く人は買い置きしておくと便利です。
「牛乳が二日酔い予防になる」は都市伝説?
「牛乳を飲んでおけば胃に膜を作りアルコールの吸収を防ぐ」とよく耳にします。実際にはどうなのでしょうか。
牛乳を飲むと胃に膜を作るのですが、この膜はアルコールで流されてしまい、胃を守ることができません。また、牛乳には脂肪分があまり含まれていません。チーズなどの乳製品に比べると脂肪分は数%ほど。これでは胃にとどまり胃がアルコールを吸収しないようにするという事はできません。
このような理由から現在では「牛乳は二日酔い防止にあまり効果がない」というのが定説です。
では、どうして「牛乳が二日酔い予防になる」と広まったのでしょうか。
昔は高脂肪な食べ物が少なく、牛乳が高脂肪として活用されたためです。現在はチーズやナッツなど、手軽に食べられる高脂肪の食べ物がたくさんありますので、牛乳ではなく、そちらを活用しましょう。
飲みながらできる二日酔いの予防・対策
少し工夫しながら飲むだけで二日酔いの予防ができます。
二日酔いになりやすいお酒を避ける
お酒にはたくさんの種類がありますが、二日酔いになりやすいお酒があるのをご存知ですか?
醸造酒
穀物や果実の糖分を発酵させて作るお酒を「醸造酒」と呼びます。ビール、日本酒、ワインなどが醸造酒に分類されます。
アルコールの成分には「エタノール」と「メタノール」の2種類があり、エタノールは分解しやすいのですが、メタノールは分解にとても時間がかかってしまいます。また、メタノールは頭痛や吐き気の原因になる物質です。
ビール、日本酒、ワインなどの醸造酒には微量ですがメタノールが含まれています。メタノールは分解に時間がかかってしまうため翌日に残りやすいのです。
醸造酒には「フーゼル油」と呼ばれる不純物が含まれています。不純物は摂取しても健康に害を及ぼすものではないのですが、二日酔いを悪化させる作用があるので醸造酒は避けましょう。
炭酸入りのお酒
シャンパンやビールなど炭酸ガス入りのお酒は、炭酸ガスの作用によりアルコールを早く吸収してしまいます。肝臓で分解される前に血中に吸収されてしまうので、分解できなかったアセトアルデヒドが翌日まで残り二日酔いになってしまいます。
混成酒
梅酒やリキュールのようにお酒に果物などの香りや味をつけ、糖分や色素などでアレンジしたお酒を「混成酒」と呼びます。混成酒はお酒に様々な物を合わせて作っているので、普通のお酒よりたくさんの成分を持ちます。そのため肝臓はより多く活動しなくてはいけません。アルコールの分解以外にも、肝臓が働かなければならなくなるので、アルコールの分解が遅くなり二日酔いにつながってしまうのです。
二日酔いになりにくいお酒を飲む
二日酔いになりにくいお酒を紹介します。
蒸留酒
醸造酒を沸騰させ不純物を取り除いたお酒が「蒸留酒」です。アルコール純度が高いので分解されやすいエタノールが多く含まれています。有毒なメタノールを含まないお酒が多いです。焼酎、ブランデー、ウイスキー、ジンやウォッカが蒸留酒に分類されます。
蒸留酒はアルコール度数が高い物が多いのでお湯割りや水割りなどがおすすめです。ジンベースのカクテルやウォッカベースのカクテルが良いですね。
価格が高いお酒
同じお酒でも、価格が高いお酒は不純物を取り除く工程が多くなっています。安価なお酒には酸化防止剤などの添加物が含まれている事が多く、この添加物が二日酔いの原因になってしますのです。価格が高いお酒にはこの添加物が含まれていません、体に優しく二日酔いになりにくいお酒が多いです。
こまめに水(チェイサー)を飲む
アルコールには利尿作用などにより、水分を体外に排出する作用があるので、お酒を飲めば飲むほど脱水状態になっていきます。お酒では水分補給ができないのです。脱水状態になるとアルコールの分解が遅くなり翌日まで残ってしまい二日酔いになってしまいます。
脱水状態にならないために、お酒を飲んでいる時もお水(チェイサー)はしっかり飲みましょう。お酒とお水を交互に飲むと効果的です。
また、バーでお酒を飲んでいる時、お水が欲しい時は、マスターに「お水ください」もしくは「チェイサーをください」と言えば、お水を貰うことができます。(チェイサーとは、バー用語でお水の意味です。)
ナッツ類や果物を食べる
おつまみにはナッツ類や果物がおすすめです。ナッツ類は脂肪分が多く含まれていて、胃に長時間残ってくれるので胃でアルコールが吸収されるのを防いでくれます。オリーブオイルも同様の作用があるのでサラダやカルパッチョも良いですね。
また果物に含まれるビタミンは肝臓の働きを助けるのでアルコールを分解を早めてくれます。
二日酔い確実?!避けたいNG飲み方
二日酔いになりたくない時は以下を避けましょう。
空腹状態で飲酒する
胃でアルコールを吸収されてしまうのでアルコールの分解が遅くなります。
空腹を避け必ず軽く食べてから飲みましょう。
炭酸などで割る
炭酸ガスの作用で肝臓で分解される前にアルコールを吸収してしまいます。
水割りやお湯割りがおすすめです。
0カロリーコーラなどで割る
ダイエット飲料の多くには人工甘味料などの添加物が含まれています。
特に「アステルパーム」と呼ばれる人工甘味料は、体に入るとメタノールになるので、肝臓での分解が遅くなり翌日に残りやすくなります。
熱燗で飲む
温かいお酒のアルコールは胃や腸が吸収しやすく、分解に時間がかかってしまうため、二日酔いになりやすくなります。
熱燗以外にも焼酎のお湯割りやホットワインも同様にアルコールの吸収を早めてしまいます。
メタノール入りの醸造酒ばかり飲む
アルコール成分の中でもメタノールは、頭痛や吐き気を引き起こす成分で分解にとても時間がかかります。
メタノールの含まれていない蒸留酒などを飲みましょう。
お酒をちゃんぽんして飲まない
肝臓は1種類のアルコールを分解するのは得意ですが、複数のアルコールを分解する事は不得意なのです。
ちゃんぽんをすると複数のアルコールを摂取するためア、ルコールの分解に時間がかかり二日酔いになりやすくなります。ちゃんぽんせずに1種類のお酒を飲みましょう。
飲みすぎない
大量のアルコールを摂取すると肝臓での分解が追いつきません。なので、高価なお酒でも蒸留酒でも飲みすぎると二日酔いになってしまいます。適量にとどめましょう。
飲んだ直後にできる二日酔いの予防・対策
ここからは飲んだ直後にできる二日酔いの対策をいくつか紹介していきます。
簡単で最強?!水をたくさん飲む
お酒には利尿作用がありお酒を摂取すると尿や汗によって、体内からどんどん水分は失われていきます。
この時、水分と一緒に分解されたアルコールが体外に排出されるのですが、水分補給をしないと脱水状態になってしまいます。
また、アルコールを分解する為にもたくさんの水分を使用しますので、体が脱水状態になると肝臓の働きが弱まり、アルコールの分解が遅くなるので
二日酔いになるリスクが高くなります。
脱水状態にならない為にはたくさんのお水を飲む事が大事です。
しっかり水分補給することで、肝臓でのアルコールの分解も早くなりますし、尿の量も増えるのでアルコールを体外へ排出するのも早くなります。
お水を飲むだけでいいの?と思われがちですが、水分を補給する事は二日酔いを予防にとても効果あるのです。
お水はできるだけたくさん飲みましょう。
飲んですぐに寝ない
飲酒後すぐに寝てしまうという人も多いのではないでしょうか?
気持ちよく寝ているつもりでも体内では肝臓がアルコールを分解しています。
体は休んでいるように思えますが、内臓は活発に動いているのです。
そのため眠りが浅く、良質な睡眠が取れず翌日にだるさが出やすくなります。
また、アルコールの分解も十分にできず、二日酔いのリスクが高まります。
肝臓がアルコールを分解するには3時間かかりますので、就寝の3時間前には飲酒をやめるようにしましょう。
プロも飲んでる?!二日酔いの予防に効く薬
二日酔いを予防する薬もたくさん市販されています。
そのうちいくつかを紹介します。
二日酔い予防・対策に効くオススメの薬
ヘパリーゼ
ウコンに続いてこちらも有名ですね。
ヘパリーゼには肝臓の働きを補助する成分がたくさん含まれているので
アルコールの分解を早めてくれます。
錠剤タイプの「ヘパリーゼEX」は携帯に便利。
効き目の早い「ヘパリーゼドリンク」もあります。
ミラグレーン錠
ミラグレーン錠には「五黄(ゴオウ)」という生薬がたくさん含まれています。
この五黄は肝臓の働きを補助する作用があり、二日酔いの予防にとても効果のある薬です。
また、五黄の他にも飲酒の際に不足しがちな栄養も含まれています。
液キャベ コーワV
ウコンなどの生薬が7種類配合されていて、肝臓の働きを助けてくれる他、胃の調子も整えてくれます。
こちらは飲み過ぎの症状を緩和し、二日酔いを防いでくれる作用があるので、お酒を飲んでいる時、または飲んだ後に服用するのが効果的です。
ハイチオールC ホワイティア
シジミにも多く含まれる「L-システイン」という成分が二日酔い防止に効果があります。
このL-システインがアセトアルデヒドが体内で発生するのを抑制してくれます。
※薬は必ず用法用量を守って服用してください。
岩田さんのお店情報
神戸市・中央区
BAR岩田
17:00 ~ 2:00
不定休
JR神戸線 「三ノ宮」駅 徒歩6分