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ハウツー

2015/09/29

乾杯はダメ?!BAR(バー)のNGマナー大全集

BAR岩田のウイスキー千夜一夜

初心者のためのBARノウハウ「BAR虎の巻」

岩田 智

提供:岩田 智

NGマナーの振る舞いも優しく教えてくれる三宮・北野のオーセンティックBar「Bar岩田」のマスター。

「乾杯はダメ?」「バーテンはNG?」。バーでは基本的には常識の範囲のマナーを守ればOKですが、中には知らないと迷惑・失礼になるマナーもいくつか存在します。バーに通いつめている人でも知らないマナーがあると思いますので、初心者もベテランの方も一度バーのマナーを確認してみてはいかがでしょうか。

入店前のマナー

1~4人で行くのがベスト

通常の飲食店でも言えることですが、大人数で行くと席が開いていない場合があります。様々なバーがありますが、多くのバーは団体で来ることを想定して作られていません。また、大人数で行った際、複数人で話をしようとすると声が大きくなりがちです。これは「大声での会話はNG」にも記載していますが、他のお客さんの迷惑につながります。バーへ行く際は1~4人程で行くようにしましょう。

キツすぎる香水は迷惑

食べ物と同様にお酒も匂い・風味を楽しみます。キツすぎる香水は匂いや風味を邪魔しますので、食事の際に香水を控えめにすることが常識なように、バーでもまた控えめにするべきでしょう。

入店時のマナー

バーテンダーを「バーテン」と呼んではいけない

バーテンダーを「バーテン」て呼ぶのを耳にしたことがあるかもしれないですが、「バーテン」とは「BAR」と「ふうてん(瘋癲)」という定職を持たず街中などをふらつく、無職の人の事を指す言葉の造語です。(フーテンの寅さんなど…)昔、特別な知識や技術も必要用とせず、ただお酒を出すだけだった時代のバーテンダーの差別用語ですので、使っていけません。

カウンターに帽子やバッグ、荷物を置くのはNG

多くのバーには長いカウンターが存在します。広く何も置かれていないので、ついついバッグなどを置いてしまいそうになりますが、たとえ地面についていないキレイなバッグ・帽子でもカウンターを荷物置きにしてはいけません。お酒などの飲み物・おつまみや食べ物を置く衛生的な場所です。もし荷物を置く場所がわからない場合は、バーテンダーに尋ねましょう。きっと案内してくれるはずです。例外としてタバコ・財布などはOKですが、携帯はマナーモードなどで震えて音が出ると不快ですので、ポケットやカバン等に入れておきましょう。

入店中前半のマナー

グラスをぶつける乾杯はNG

居酒屋などで乾杯する際は、ジョッキやグラスをガンガンぶつけていくと思いますが、バーでは違います。バーで出されるグラスの中にはお酒をより楽しむために薄く作られているグラスや高級なものがあります。居酒屋のようにぶつけては欠けてしまったり、割れてしまうことがありますので、ぶつける代わりに、グラスを持って少し上げるだけにしましょう。

お酒を作っている時はそっとしておく

バーテンダーは神経を注いでお酒を作っています。
シェイカーを振ったりバー・スプーンを回している時、その日の気分でなんとなく回数を決めているのではなく、中のお酒や氷の混ざり具合・溶け具合を音、感触で判断しています。早く注文したい・会計したい気持ちはわかりますが、慌てず、お酒を作り終えてから話しかけるのがベストです。

バーテンダーを独占しない

バーでの楽しみの一つが「マスターとの会話」。お客さんの中にはマスターと話をすることが目当で来ているお客さんも少なくありません。みんなマスターと話をしたいと思っています。お客さんが自分一人だったり、他のお客さん同士で会話をしている時などは問題ありませんが、それ以外の場合は長時間マスターに話し続けたり、他のお客さんとの話の腰を折るようなことはしないようにしましょう。

タバコの煙や火を人に向けない

常識的な事ですが、タバコの煙や火を他のお客さんに向けてはいけません。特に、隣のお客さんと席が近い場合は注意が必要です。また、隣のお客さんと近い場合は、さらにもう1ランク上のマナーとして、タバコを吸ってもいいか断っておきましょう。バーではタバコを吸える店がほとんどですが、お客さんの中にはタバコが嫌いな方もいますので、注意が必要です。

パイプ、葉巻は吸う前に確認を

バーの中には「シガーバー」といって、お酒と一緒にタバコ、パイプ、葉巻を楽しむことを前提としたバーが存在します。しかし、それ以外のバーでは「パイプ、葉巻」といった匂いのきつい物は吸えない事が多いです。「パイプ、葉巻」を楽しみたい方は「シガーバー」を探すか、バーテンダーに一度確認しましょう。

店内での携帯電話の通話はNG

電車の中でも携帯電話の通話がダメなように、バーでも携帯電話での通話は控えるようにしましょう。会話の相手の声が聞こえない携帯電話の通話は、それを聞いている他の人を不快にするそうです。通話は一旦お店の外に出て行うか、店内でも他のお客さんの声が届かない場所で行いましょう。

入店中後半のマナー

居合わせたお客さにガンガン話しかけない

「居合わせたお客さんと会話を楽しみたい」といった目的でバーに足を運ぶお客さんはもちろんいらっしゃるのですが、中には一人で静かにお酒を楽しみたい方もいらっしゃいます。お客さんはそれぞれの目的でお店に来ているので、むやみやたらにお客さんに話しかけるのは控えましょう。普通に楽しみたいお客さんもお店に行きにくくなり、バーもお客さんを失うことになるので良いことはありません。

ナンパ目的はNG

バーにはお酒や居合わせたお客さんと会話を楽しみたいと、女性の方が1人で来られることも珍しくありません。ですが、出会いを求めて来ているわけではありませんので「居合わせたお客さにガンガン話しかけない」同様に、むやみに他のお客さんに話しかけるのは控えましょう。

大声での会話はNG

この後の「酔い過ぎはNG」にも記載していますが、バーでは雰囲気を求めて来るお客さんが多くいらっしゃいます。大きな声で居酒屋のように会話することはお店や他のお客さんが求めている雰囲気を壊しかねません。グループなど数人で行くとついつい話がヒートアップしてしまいがちですが、自分や周りが大きな声になっていないか気をつけることが大切です。

下品や下ネタな会話に注意

「下品」「下ネタ」トーク、楽しいですよね。バーでお酒をたしなむ紳士としては当然控えるべき言動ですが、お酒も回ってくると、どうしてもオッサンに戻ってしまう事があります。友人やたまたま居合わせたオッサン達とついついこういったトークに花を咲かせてしまいがちですが、守るルールがあります。それは「女性の前では話さない」「女性が入店した段階でスッパリ終了」ということです。

酔い過ぎはNG

バーは「紳士淑女の社交場」なんて堅苦しいことは言いませんが、居酒屋とは違い少しおしゃれ・かっこいい場所や雰囲気を求めるお客さんがほとんどです。酔いつぶれたり・騒いだりは、お店にも他のお客さんにも迷惑がかかりますので、本格的に酔ってしまうまえに、お店を出る事をオススメします。また、バーテンダーさんに「チェイサーお願いします」と言えばお水を出してくれますし、ノンアルコール・フリードリンクを間に挟んで少し休憩したりといった事もオススメです。

お酒に強くなりたいときや、翌日の二日酔いを予防したいときは、こちらの記事もあわせてどうぞ。



注文せずに居座り続けるのはNG

バーに限らずどの飲食店でも当てはまるマナーですが、注文もせずに居座り続けるのはお店にとって非常に困ります。他にお客さんがいない時ならまだしも、お店が満員で、もう十分お酒を楽しんだのであればお店を出るのが紳士淑女のたしなみです。スターバックスに入りたいのに満員の店内でMacBookを開いてドヤ顔を決めている人がいたらムカつきますよね。だいたいそれと同じ感じです。飲食店は注文の数とお客さんの入れ替り回数で売上が変わりますので、バーを経営されてるバーテンダーさんは注文が入る状況や沢山のお客さんに楽しんでもらう方が嬉しいですし、そこでお酒を楽しみたいお客さんも入れた方がうれしいです。話が盛り上がってしまい、つい注文を忘れてしまう、居座ってしまうなんて事はありがちですが、お酒が進まない時はノンアルコールカクテルやフリードリンクでも構いませんので追加注文するか、お店を出ることをお勧めします。

実はOKなマナーなどその他のマナー

バーでビールはもちろんOK

「バーでビールを頼むなんて」といった事を耳にしたことがありますが、そんなことはありません。多くのバーでは何種類ものビールを用意しており、実際最初はビールでなんてお客さんも少なくありません。頼むのがNGならそもそも置きませんよね。

ショートカクテルは5~10分で飲むのがベスト

ショートカクテルは長い時間をかけて飲んでしまうと、ぬるくなったり、分離してしまい、最後までおいしく飲むことが出来ません。「このカクテルが飲んでみたい!」と思って、実際に頼んでみるとアルコールがきつかったり、会話に花を咲かせたりと、必ずしも守れない事もあるかもしれませんが、5~10分で飲むと最後までおいしく頂けます。

ボトルを見たい時はバーテンダーにたずねる

バーのカウンターや棚には色鮮やかで様々なデザインのお酒のボトルが並んでいます。きっと気になるボトルがあると思いますが、勝手に触ってはいけません。バーのお酒の中には揺らすことすら許されないお酒や、通常では入手困難な古く高価なお酒も数多く存在します。どうしても見たい場合はバーテンダーに訪ねてからにしましょう。

お酒に関する「知ったかぶり」は恥をかくことも…

適当に頼んだ名前で頼んだお酒が口に合わなかったり、アルコールがキツすぎるなんてことも。バーテンダーはプロなので、お酒について聞くことは恥ずかしいことじゃありません。次飲みたいお酒がわからない時・決まらない時はバーテンダーに相談しましょう。

初心者にオススメのウィスキーは、こちらの記事をご覧ください。

カクテルに添えられた飾りのフルーツは食べてOK

食べ終わったりしぼったフルーツは、紙ナプキン、コースター、小皿の上などにのせておくか、飲み終わったあとであればグラスの中に戻しても大丈夫です。

写真を撮るのは許可を得てから

色鮮やかなカクテルや、キレイなグラスに入ったお酒など、ついつい写真を撮りたくなりますが、他の飲食店同様、「写真撮っても良いですか?」と確認をしましょう。

少額の支払いなら現金が幸せ

バーの中にもカードが使える店があります。ただ、少額の場合はなるべくカードを使わないようにしましょう。これはお店側の話ですが、カードで決済をされるとお店に入ってくるお金はカードの手数料を引かれた金額になります。また、カードで支払ったお金は使用された日からしばらく経ってお店側に入りますので、お店側の手元にお金が入るのが遅れます。カードで支払いが出来るということは、もちろん使ってOKなのですが、控えてあげる方がお店が幸せになります。

閉店時間に気をつけよう

お酒を飲んで話をしていると、ついつい時間を忘れて話し込んでしまうこともありますが、閉店時間には気を配るようにしましょう。お客さんが帰るまでお店を開けているというバーも少なく無いですが、配慮が必要です。

「バーのNGマナー」いかがでしたでしょうか。バーだからといって特別気にすること無く基本的には場の空気が読めれば問題ないと思います。一部、気づきにくい・知らないマナーもあると思いますが、今回ご紹介したマナーを心がければ、アナタも居合わせた他のお客さんもバーのマスターも楽しくバーでの大人のひと時を過ごせると思います。

岩田さんのお店情報

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